🛡 ナラシンハ・カヴァチャとは?
『ナラシンハ・カヴァチャ』は、ヒンドゥー教の聖典に記された強力な護身と加護のマントラです。
このカヴァチャ(=「鎧・護符」)は、ヴィシュヌ神の獅子の化身であるナラシンハ神に捧げられ、
信愛に満ちた帰依者プラフラーダによって語られたと伝えられています。
🦁 ナラシンハ神とは?
ナラシンハは、悪王ヒラニヤカシプが神への信仰を弾圧したとき、
その息子プラフラーダの純粋な信仰を守るために、
「人でもなく、動物でもなく、昼でも夜でもない時に、屋内でも屋外でもなく」
という神秘的な条件のもとに現れたヴィシュヌ神の化身です。
ナラシンハは、「怒りの中の慈悲」「破壊の中の加護」を象徴し、
帰依者をあらゆる災厄、悪霊、病、カルマの障害から守ると信じられています。
📜 カヴァチャの効能
この聖なるカヴァチャを誠実に唱えることで、以下のような恩恵がもたらされるとされています
- 全身のあらゆる部位に神の保護がもたらされる
- 災難、悪霊、毒、病、惑星の凶影響からの守護
- 勝利、財運、子宝、長寿、成功
- カルマ的な障害や恐怖の除去
- スピリチュアルな加速
🧘♂️ 実践のすすめ
ナラシンハ・カヴァチャは、以下のような形で日々の実践に取り入れることができます
- 朝の瞑想前に音読・黙読・歌う
- 護符として紙に書き、肌に身につける
- 困難な状況・不安・病の際に祈る
個人的には、最初は先に日本語で内容を把握して、動画に合わせて歌うのがおすすめです。
ナラシンハ神に捧げる気持ちで歌う、唱えるといいです。
nṛsiṁha kavacam vakṣye prahlādenoditaṁ purā
sarva rakṣa karaṁ puṇyaṁ sarvopadrava nāśanam
ナラシンハ・カヴァチャム・ヴァクシャイエー プラフラーデーノーディタム・プラー
サルヴァ・ラクシャ・カラム・プンニャム サルヴォーパドラヴァ・ナーシャナム
私はナーラシンハのカヴァチャ(護符の言葉)を語ろう。 これはかつてプラフラーダによって語られたもの。
すべてを守り、神聖なる功徳をもたらすものであり、あらゆる災難や妨害を打ち砕くものである。
sarva sampat karaṁ caiva svarga mokṣa pradāyakam
dhyātvā nṛsiṁhaṁ deveśaṁ hema siṁhāsana sthitam
サルヴァ・サンパット・カラム・チャイヴァ スヴァルガ・モークシャ・プラダーヤカム
ディヤートヴァー・ナラシンハム・デーヴェーシャム ヘーマ・シンハーサナ・スティタム
それはすべての富をもたらし、天国と解脱を授ける。
ナラシンハ神を瞑想しながら、黄金の獅子の王座に座す御方を思い描け。
vivritāsyaṁ trinayanaṁ śarad indu sama prabham
lakṣmyāliṅgita vāmāṅgam vibhūtibhi rupāśrita
ヴィヴリターシャム・トゥリナヤナム シャラド・インドゥ・サマ・プラバム
ラクシュミヤーリンギタ・ヴァーマーンガム ヴィブーティビヒ・ウパーシュリタム
口を開き、三つの目を持ち、秋の満月のように輝く御姿。
ラクシュミー女神に左半身を抱かれ、神聖な力によって崇拝されておられる。
catur bhujaṁ komalāṅgaṁ svarṇa kuṇḍala śobhitam
saroja śobitoraskaṁ ratna keyūra mudritam
チャトゥル・ブジャム・コーマラーンガム スヴァルナ・クンドゥラ・ショーバヒタム
サロージャ・ショービトーラスカム ラトナ・ケユーラ・ムドリタム
四本の腕を持ち、柔らかな御身体。黄金の耳飾りに輝き、
蓮のように美しい胸元を持ち、宝石の腕輪で飾られている。
tapta kāñcana saṅkāśaṁ pīta nirmala vāsasam
indrādi sura mauliṣṭhaḥ sphuran māṇikya dīptibhiḥ
タプタ・カーンチャナ・サンカーシャム ピータ・ニルマラ・ヴァーササム
インドラーディ・スラ・マウリシュトゥハ スプフラン・マーニキャ・ディープティビヒ
溶けた黄金のように輝き、清らかな黄色の衣をまとうお方。
インドラなどの神々の王冠の頂に立ち、きらめくルビーのように光を放つ。
virājita pada dvandvaṁ śaṅkha cakrādi hetibhiḥ
garutmatā ca vinayāt stūyamānaṁ mudānvitam
ヴィラージタ・パダ・ドヴァンドヴァム シャンカ・チャクラーディ・ヘーティビヒ
ガルトゥマター・チャ・ヴィナヤート ストゥーヤマーナム・ムダーンヴィタム
輝く両足には、法螺貝や円盤などの神聖な武器が備わり、
ガルダに乗って、敬意を込めて礼拝され、喜びに満ちて讃えられている。
sva hṛt kamala saṁ-vāsaṁ kṛtvā tu kavacaṁ paṭhet
nṛsiṁho me śiraḥ pātu loka rakṣārtha sambhavaḥ
スヴァ・フリト・カマラ・サンヴァーサム クリトヴァー・トゥ・カヴァチャム・パトヘット
ナラシンホー・メー・シラハ・パートゥ ローカ・ラクシャールタ・サンバヴァハ
自らのハートの蓮にナラシンハを住まわせ、このカヴァチャ(護符)を朗読せよ。
ナラシンハが私の頭を護りたまえ、世界を守るために出現された御方。
sarvago ‘pi stambha vāsaḥ phalaṁ me rakṣatu dhvanim
nṛsiṁho me dṛśau pātu soma sūryāgni locanaḥ
サルヴァゴー・ピ・スタンバ・ヴァーサハ パラム・メー・ラクシャトゥ・ドヴァニム
ナラシンホー・メー・ドリシャウ・パートゥ ソーマ・スーリヤーグニ・ローチャナハ
すべてに遍在し、柱に住まわれた御方よ、私の言葉(声)の成果を守りたまえ。
ナラシンハが私の両目を護りたまえ、月・太陽・火のごとき眼を持つ御方よ。
smṛtaṁ me pātu nṛhariḥ muni vārya stuti priyaḥ
nāsaṁ me siṁha nāśas-tu mukhaṁ lakṣmī mukhaṁ priyaḥ
スムリタム・メー・パートゥ・ナラハリヒ ムニ・ヴァーリャ・ストゥティ・プリヤハ
ナーサム・メー・シンハ・ナーシュァス・トゥ ムカム・ラクシュミー・ムカム・プリヤハ
私の記憶をナラハリ(ナラシンハの別名)が守りたまえ、賢者たちの賛美を喜ばれる御方よ。
私の鼻を獅子の鼻が護りたまえ、そして私の口を、ラクシュミーの愛する口が護りたまえ。
sarva vidyādhipaḥ pātu nṛsiṁho rasanaṁ mama
vaktraṁ pātvindu vadanaṁ sadā prahlāda vanditaḥ
サルヴァ・ヴィッディヤーディパハ・パートゥ ナラシンホー・ラサナム・ママ
ヴァクトラム・パートヴィンドゥ・ヴァダナム サダー・プラフラーダ・ヴァンディタハ
あらゆる知識の主である御方が、私の舌(発語)をナラシンハが護りたまえ。
私の口を、月のように美しい御顔が守りたまえ、常にプラフラーダに讃えられている御方よ。
nṛsiṁhah pātu me kaṇṭhaṁ skandhau bhū-bhṛd ananta kṛt
divyāstra śobhita bhujaḥ nṛsiṁhaḥ pātu me bhujah
ナラシンハ・パートゥ・メー・カンタム スカンダウ・ブー・ブリット・アナンタ・クリット
ディヴィヤーストラ・ショービタ・ブジャハ ナラシンハ・パートゥ・メー・ブジャハ
ナラシンハが私の喉を護りたまえ、肩は、大地を支えるアナンタ(蛇神)によって強められており、
神聖な武器で輝くその腕は、ナラシンハによって私の両腕を護られる。
karau me deva varado nṛsiṁhaḥ pātu sarvataḥ
hṛdayaṁ yogi sādhyaś ca nivāsaṁ pātu me hariḥ
カラウ・メー・デーヴァ・ヴァラドー ナラシンハ・パートゥ・サルヴァタハ
フリダヤム・ヨーギ・サーディヤシュ・チャ ニヴァーサム・パートゥ・メー・ハリヒ
神の恵みを授ける御方が、私の両手を守りたまえ。ナラシンハがあらゆる方向から私を護り、
ヨーギたちが瞑想の対象とする御心を、私の住処としてハリ(ヴィシュヌ)が護りたまえ。
madhyaṁ pātu hiraṇyākṣa vakṣaḥ kukṣi vidāranaḥ
nābhiṁ me pātu nṛhariḥ sva nābhi brahma saṁstutaḥ
マッディヤム・パートゥ・ヒラニャークシャ ヴァクシャハ・ククシ・ヴィダーラナハ
ナービム・メー・パートゥ・ナラハリヒ スヴァ・ナービ・ブラフマ・サンストゥタハ
中腹(胴体の中心)を、ヒラニャークシャを破った御方が護りたまえ。胸と腹部を引き裂いたその力で、
私のへそをナラハリ(ナラシンハ)が護りたまえ。そのへそは、ブラフマー神によって讃えられた。
brahmāṇḍa koṭayaḥ kaṭyāṁ yasyāsau pātu me kaṭim
guhyaṁ me pātu guhyānāṁ mantrāṇāṁ guhya rūpa dṛk
ブラフマーンダ・コーティヤハ・カッティヤーム ヤスヤーソウ・パートゥ・メー・カティム
グフヤム・メー・パートゥ・グフヤーナーム マントラーナーム・グフヤ・ルーパ・ドリク
無数の宇宙がその腰に宿る御方が、私の腰を護りたまえ。
隠された部位(下腹部)を、すべての秘密のマントラの姿を見抜く御方が護りたまえ。
ūrū manobhavaḥ pātu jānunī nara rūpa dṛk
jaṅghe pātu dharā bhara hartā yo ‘sau nṛkeśarī
ウールー・マノーバヴァハ・パートゥ ジャーヌニー・ナラ・ルーパ・ドリク
ジャンゲー・パートゥ・ダーラー・バラ ハルター・ヨーサウ・ナラケーシャリ
私の腿(もも)を、愛(カーマ)を超えた御方が護りたまえ。膝を、人間の姿をとられた御方が護りたまえ。
すねを、大地の重荷を取り除いた、あのナラケーシャリ(獅子のたてがみを持つ御方)が護りたまえ。
sura rājya pradaḥ pātu pādau me nṛharīśvaraḥ
sahasra śīrṣā puruṣaḥ pātu me sarva-śas-tanum
スラ・ラージャ・プラダハ・パートゥ パーダウ・メー・ナラハリーシュヴァラハ
サハスラ・シールシャー・プルシャハ パートゥ・メー・サルヴァ・シャス・タヌム
神々の王国を与える御方が、 私の両足をナラハリーシュヴァラ(ナラシンハの主)が護りたまえ。
千の頭を持つ宇宙的存在(プルシャ)が、私の全身を護りたまえ。
mahograḥ pūrvataḥ pātu mahā virāgrajo ‘gnitaḥ
mahā viṣṇur dakṣiṇe tu mahā jvalas tu nairṝtaḥ
マハーウグラハ・プールヴァタハ・パートゥ マハー・ヴィラーグラジョー・アグニタハ
マハー・ヴィシュヌル・ダクシネー・トゥ マハー・ジュヴァラス・トゥ・ナイリタハ
激しく恐ろしい御方が、東方を護りたまえ。偉大なる英雄の兄が、南東を護りたまえ。
偉大なるヴィシュヌが、南方を護りたまえ。燃え盛る大いなる御方が、南西を護りたまえ。
paścime pātu sarveśo diśi me sarvatomukhaḥ
nṛsiṁhaḥ pātu vāyavyāṁ saumyāṁ bhūṣaṇa vigrahaḥ
パシュチメー・パートゥ・サルヴェーショー ディシ・メー・サルヴァトームカハ
ナラシンハ・パートゥ・ヴァーヤヴヤーム サウミャーム・ブーシャナ・ヴィグラハハ
すべての主である御方が、西方を護りたまえ。すべての方向に顔を向ける御方が、方位を護りたまえ。
ナラシンハが北西を護りたまえ。穏やかにして、美しき装飾をまとった御姿で。
īśānyāṁ pātu bhadro me sarva maṅgala dayakaḥ
saṁsāra bhayatah pātu mṛtyor mṛtyur nṛkeśari
イーシャーニャーム・パートゥ・バドロ・メー サルヴァ・マンガラ・ダーヤカハ
サンサーラ・バヤタハ・パートゥ ムリティヨール・ムリティユル・ナラケーシャリ
北東を、吉祥をもたらす御方が護りたまえ。あらゆる吉兆を授ける御方よ。
輪廻の恐怖から、死の中の死(死を超える存在)であるナラケーシャリが護りたまえ。
idaṁ nṛsiṁha kavacaṁ prahlāda mukha maṇḍitam
bhaktimān yaḥ paṭhennityaṁ sarva pāpaiḥ pramucyate
イダム・ナラシンハ・カヴァチャム プラフラーダ・ムカ・マンディタム
バクティマーン・ヤハ・パトヘン・ニティヤム サルヴァ・パーパイヒ・プラムチャテー
このナラシンハ・カヴァチャは、プラフラーダの口から語られたものであり、
献愛をもってこれを日々唱える者は、あらゆる罪から解放されるであろう。
putravān dhanavān loke dīrghāyur upajāyate
kāmayate yaṁ yaṁ kāmaṁ tam taṁ prāpnoty asaṁśayam
プトラヴァーン・ダナヴァーン・ローケー ディールガーユル・ウパジャーヤテー
カーマヤテー・ヤム・ヤム・カーマム タム・タム・プラープノティ・アサムシャヤム
この世で、子宝と財産に恵まれ、長寿を得ることができる。
どのような望みを抱こうとも、その望みは必ずや叶えられるであろう。
sarvatra jayam āpnoti sarvatra vijayī bhavet
bhūmy antarīkṣa divyānāṁ grahāṇām vini vāraṇam
サルヴァトラ・ジャヤム・アープノティ サルヴァトラ・ヴィジャイー・バヴェット
ブーミ・アンタリークシャ・ディヴィヤーナーム グラハーナーム・ヴィニ・ヴァーラナム
あらゆる場面で勝利を収め、どこでも勝利者となる。
地上、空間、天界における惑星(の悪影響)も打ち破られる。
vṛś-cikoraga sambhūta viṣāpaharaṇaṁ param
brahma rākṣasa yakṣāṇāṁ dūrotsāraṇa kāraṇam
ヴリシュチコーラガ・サンブータ ヴィシャーパハラナム・パラム
ブラフマ・ラークシャサ・ヤクシャーナーム ドゥーローツァーラナ・カーラナム
蠍や蛇などの毒を取り除く至高の力があり、ブラフマ・ラークシャサ(高位の悪霊)やヤクシャたちを
遠ざけ追い払う原因(力)となる。
bhuje vā tāla pātre vā kavacaṁ likhitaṁ śubham
kara mūle dhṛtaṁ yena sidhyeyuḥ karma siddhayaḥ
ブジェー・ヴァー・ターラ・パートレ・ヴァー カヴァチャム・リキタム・シュバム
カラ・ムーレ・ドゥリタム・イェーナ シッディエーユフ・カルマ・シッダヤハ
この神聖なるカヴァチャを、腕やヤシの葉、あるいは紙などに書き記し、
手首に巻いて身に着けた者には、あらゆる行為において成就が訪れる。
devāsura manuṣyeṣu svaṁ svaṁ eva jayaṁ labhet
eka sandhyaṁ tri sandhyaṁ vā yaḥ paṭhen-niyato naraḥ
デーヴァースラ・マヌシュイェーシュ スヴァム・スヴァム・エーヴァ・ジャヤム・ラベート
エーカ・サンディヤム・トリ・サンディヤム・ヴァー ヤハ・パトヘン・ニヤトー・ナラハ
神々、アスラ(魔族)、人間たちの中であっても、各々が勝利を得ることができる。
朝または三度のサンディヤー(瞑想時)にこれを読む者は、規律を守る限り、必ずや利益を得るであろう。
sarva maṅgala maṅgalyaṁ bhuktiṁ muktiṁ ca vindati
dvā triṁ-śati sahasrāṇi paṭhet śuddhātmanām nṛṇām
サルヴァ・マンガラ・マンガリヤム ブクティム・ムクティム・チャ・ヴィンダティ
ドヴァー・トリムシャティ・サハスラーニ パトヘット・シュッダーアートマナーム・ナリナーム
あらゆる吉祥の中の最も吉祥を得、世俗的な幸福と解脱の両方を享受する。
清らかな心を持つ人がこのカヴァチャを三万二千回読むなら、(その力は)完全に成就するであろう。
kavacasyāsya mantrasya mantra siddhiḥ prajāyate
anena mantra rājena kṛtvā bhasmābhir mantrāṇām
カヴァチャスヤーシャ・マントラスヤ マントラ・シッディヒ・プラジャーヤテ
アネナ・マントラ・ラージェーナ クリトヴァー・バスマービヒ・マントラーナーム
このカヴァチャのマントラによって、マントラの成就が達成される。
このマントラの王を用い、聖なる灰にマントラを唱えて塗布するならば──
tilakaṁ vinyased yas tu tasya graha bhayaṁ haret
tri vāraṁ japa-mānas tu dattaṁ vāryābhi-mantrya ca
ティラカム・ヴィニヤセード・ヤス・トゥ タスヤ・グラハ・バヤム・ハレート
トリ・ヴァーラム・ジャパ・マーナス・トゥ ダッタム・ヴァーリヤービ・マントリャ・チャ
その灰でティラカ(額の印)を付ける者からは、惑星の悪影響による恐れが取り除かれる。
このマントラを三度唱え、聖水に唱えて振りかけるなら──
prasayed yo naro mantraṁ nṛsiṁha dhyānam ācaret
tasya rogāḥ prana-śyanti ye ca syuḥ kukṣi sambhavāḥ
プラサイェード・ヨ・ナロ・マントラム ナラシンハ・ディヤーナム・アーチャレート
タスヤ・ローガーハ・プラナシャヤンティ イェー・チャ・スユフ・ククシ・サンバヴァーハ
このマントラを唱え、ナラシンハを瞑想する者にとって、
その病はことごとく消え去り、とくに腹部に関するすべての病が取り除かれる。
garjantaṁ gārjayantaṁ nija bhuja paṭalam
sphoṭayantaṁ haṭhantaṁ rūpyantaṁ tāpayantam
ガルジャンタム・ガールジャヤンタム ニジャ・ブジャ・パタラム
スポータイヤンタム・ハタハンタム ルーピヤンタム・ターパヤンタム
轟き吠えたけり、自らの腕を鳴り響かせて、
破裂させ、撃ち倒し、砕き、燃え上がらせる。
divi bhuvi ditijaṁ kṣepa-yantaṁ kṣipantam
krandantaṁ roṣa-yantaṁ diśi diśi satantaṁ
ディヴィ・ブヴィ・ディティジャム クシェーパヤンタム・クシパンタム
クランダンタム・ローシャヤンタム ディシ・ディシ・サタンタム
天界にも地上にも、アスラ(ディティの子)を投げ飛ばし、打ち砕き、
怒りのうちに叫ばせ、あらゆる方向にその声を轟かせる。
saṁ-harantaṁ bharantaṁ vīkṣantaṁ pūrṇayantaṁ
kara nikara śatair divya siṁhaṁ namāmi
サンハランタム・バランタム ヴィークシャンタム・プールナヤンタム
カラ・ニカラ・シャタイヒ ディヴィヤ・シンハム・ナマーミ
(敵を)破壊し、引き受け、見つめ、満たし、
何百もの手に神聖な武器を携えた、この神聖なる獅子に私は礼拝を捧げる。
iti śrī brāhmāṇda purāṇe prahlādoktam
śrī nṛsiṁha kavacaṁ sampūrṇam sampūrṇam
イティ・シュリー・ブラーマーンダ・プラーネー プラフラードークタム
シュリー・ナラシンハ・カヴァチャム サンプールナム・サンプールナム
以上、『シュリ・ブラーマンダ・プラーナ』において、 プラフラーダによって語られた、
この「シュリー・ナラシンハ・カヴァチャ」はここに完全に完了しました。終わり、終わり。
*
namaste nārasiṁhāya prahlādāh-lāda dāyine
hiraṇyākaśipur vakṣaḥ śilā taṅka nakhālāye
ナモステー・ナラシンハーヤ プラフラーダアフラーダ・ダーイネー
ヒラニャーカシプル・ヴァクシャハ シラー・タンカ・ナカハーラヤ
ナラシンハよ、あなたに礼拝を捧げます。プラフラーダに歓喜をもたらす御方よ。
ヒラニャーカシプの胸を、石のように打ち砕く爪を持つ御方よ。
ito nṛsiṁho parato nṛsiṁho yato yato yāmi tato nṛsiṁho
bahir nṛsiṁho hṛdaye nṛsiṁho nṛsiṁham ādiṁ śaranam prapadye
イトー・ナラシンホー・パラトー・ナラシンホー ヤトー・ヤトー・ヤーミ・タトー・ナラシンホー
バヒル・ナラシンホー・フリダイェー・ナラシンホー ナラシンハム・アーディム・シャラナム・プラパッディエ
ここにもナラシンハ、あそこにもナラシンハ、私がどこへ行こうとも、そこにナラシンハがいる。
外にもナラシンハ、心の内にもナラシンハ、私は最初の主(アーディ)ナラシンハに身を委ねます。
tava kara kamala vare nakhām adbhuta śriṅgāṁ
dalitā hiraṇyakaśipu tanu bhṛṅgam
タヴァ・カラ・カマラ・ヴァレ ナカーム・アドブタ・シュリンガーム
ダリター・ヒラニャカシプ タヌ・ブリンガーム
あなたの蓮のような御手にある、驚くべき鋭い爪により、
ヒラニャカシプの体は、蜂の巣のように引き裂かれました。
keśava dhṛta nara hari rūpa jaya jagadīśa hare
jaya jagadīśa hare jaya jagadīśa hare
ケーシャヴァ・ドリタ・ナラハリ・ルーパ ジャヤ・ジャガディーシャ・ハレ
ジャヤ・ジャガディーシャ・ハレ ジャヤ・ジャガディーシャ・ハレ
ケーシャヴァ(ヴィシュヌ)が、人獅子(ナラハリ)の姿をとられた御方よ、勝利あれ、宇宙の主なるハリよ!
勝利あれ、宇宙の主なるハリよ! 勝利あれ、宇宙の主なるハリよ!
*
oṁ namo bhagavate nārasiṁhāya namas tejas tejase āvir
āvir bhava vajra nakha vajra daṁṣṭra karmāsayān randhaya
オーム・ナモー・バガヴァテー・ナラシンハーヤ ナマス・テージャス・テージャセー・アーヴィル
アーヴィル・バヴァ・ヴァジュラ・ナカ・ヴァジュラ ダンシュトラ・カルマーシャヤーン・ランダヤ
オーム、ナラシンハ神に礼拝を捧げます。あなたに礼拝を、輝きそのものの中の輝きよ、
現れ出でよ、金剛のような爪と牙を持つ御方よ、私の中のカルマの根源を貫き断ち切ってください。
randhaya tamo grasa grasa oṁ svāhā abhayam abhayam
ātmani bhūyiśthā oṁ kṣrauṁ oṁ namo bhagavate śrī mahā
ランダヤ・タモー・グラサ・グラサ オーム・スヴァーハー・アバヤム・アバヤム
アートマニ・ブーユィシュター・オーム・クシャウム オーム・ナモー・バガヴァテー・シュリー・マハー
闇を断ち切り、貪り尽くしてください。オーム・スヴァーハ─、恐れを消してください、恐れを消してください。
我が魂により深く宿りたまえ。オーム・クシャウム。オーム、偉大なるナラシンハ神に礼拝を捧げます。
nṛsiṁhāya daṁṣṭra karāla vadanāya ghora rūpāya
vajra nakhāya jvālā māline mama vighnān paca paca
ナラシンハーヤ・ダンシュトラ・カララ・ヴァダナーヤ ゴーラ・ルーパーヤ
ヴァジュラ・ナカーヤ・ジュヴァーラー・マーリネー・ママ・ヴィグナーン・パチャ・パチャ
恐ろしい牙と恐怖の顔を持つナラシンハよ、恐るべき姿で、金剛のごとき爪を持つ御方よ、
炎を纏いしあなたよ、私の障害を焼き尽くしてください!
mama bhāyān bhindi bhindi mama śatrūn vidrāvaya
vidrāvaya mama sarva riṣṭāna prabhāñjaya prabhāñjaya
ママ・バヤーン・ビンディ・ビンディ ママ・シャトルーン・ヴィドラーヴァヤ
ヴィドラーヴァヤ・ママ・サルヴァ・リシュターン プラバンジャヤ・プラバンジャヤ
私の恐怖を粉々に打ち砕き、私の敵たちを追い払ってください、追い払ってください。
私のあらゆる不吉・悪運を打ち壊してください、打ち壊してください。
chata chata hana hana chindi chindi mama sarvā
bhīṣtān pūraya pūraya māṁ rakṣa rakṣa huṁ phaṭ svāhā
チャタ・チャタ・ハナ・ハナ チンディ・チンディ・ママ・サルヴァー
ビーシュターン・プーラヤ・プーラヤ マーム・ラクシャ・ラクシャ・フン・パット・スヴァーハー
打て、打て、砕け、砕け、私のすべての望みを──
満たし、満たし、私を守ってください、守ってください──フン、パット、スヴァーハー!
oṁ kṣrauṁ namo bhagavate nārasiṁhāya jvālā māline
dīpta daṁṣṭrayāgni netrāya sarva rakṣo ghnāya
オーム・クシャウム・ナモー・バガヴァテー ナラシンハーヤ・ジュヴァーラー・マーリネー
ディープタ・ダンシュトラーヤーグニ・ネートラーヤ サルヴァ・ラクショ・グニャーヤ
オーム・クシャウム─ナラシンハ神に礼拝を捧げます。炎の花輪をまとい、
輝く牙と火のような眼を持つ御方よ、すべての邪悪を打ち砕く御方よ。
sarva bhūta vināṣaya sarva jvara vināṣaya
daha daha paca paca rakṣa rakṣa huṁ phaṭ kṣrauṁ
サルヴァ・ブータ・ヴィナーシャーヤ サルヴァ・ジュヴァラ・ヴィナーシャーヤ
ダハ・ダハ・パチャ・パチャ ラクシャ・ラクシャ・フン・パット・クシャウム
すべての霊的な存在(悪霊)を滅ぼす御方よ、すべての熱病をも滅ぼす御方よ、
焼き尽くし、焼き尽くし、煮詰め、煮詰め、護りたまえ、護りたまえ──フン、パット、クシャウム!
ugram vīram mahā viṣṇuṁ jvalantam sarvato mukham
nṛsiṁham bhīśanam bhadram mṛtyur mṛtyum namāmyaham
ウグラム・ヴィーラム・マハー・ヴィシュヌム ジュヴァランタム・サルヴァトー・ムカム
ナラシンハム・ビーシャナム・バドラム ムリティユル・ムリティユム・ナマーミ・アハム
恐ろしくも英雄的なる偉大なヴィシュヌよ、全方位に炎を放つ御顔の御方、
ナラシンハよ──恐怖すらをも超えた吉祥なる御方、死の中の死、あなたに私は礼拝を捧げます。
oṁ vajra nakhāya vidhmahe tīkṣna daṁṣṭrāya dhīmahi
tan-no nārasiṁhaḥ pracodayāt tan-no nārasiṁhaḥ pracodayāt
オーム・ヴァジュラ・ナカーヤ・ヴィドゥマヘー ティークシュナ・ダンシュトラーヤ・ディーマヒ
タン・ノー・ナラシンハハ・プラチョーダヤート タン・ノー・ナラシンハハ・プラチョーダヤート
オーム──金剛の爪を持つ御方を私たちは知ろう。 鋭き牙を持つ御方を私たちは瞑想しよう。
そのナラシンハが、私たちの知性を導いてくださいますように。
durgeṣvaṭavyāji mukhādiṣu prabhuḥ pāyān-nṛsimho ’sura yūthapāriḥ
vimuñcato yasya mahāṭṭa hāsaṁ diśo vinedur nyapataṁś ca garbhāḥ
ドゥルゲーシュヴ・アタヴィヤーディシュ・プラブフ パーヤーン・ナラシンホー・アスラ・ユータパーリヒ
ヴィムンチャト・ヤスヤ・マハーッタハーサム ディショー・ヴィネードゥル・ニャパタンシュ・チャ・ガルバーッハ
森や荒野などの危険な場所でも、主ナラシンハが私たちを守りたまえ。アスラの軍勢を一掃する御方。
その大笑いが放たれたとき──天地四方は震え、胎児たちすら堕ちた。
vidikṣu dikṣūrdhvam adhaḥ samantād antar bahir bhagavān nārasiṁhaḥ
prahāpaya loka bhayaṁ svanena sva tejasā grasta samasta tejāḥ
ヴィディクシュ・ディクシュールドヴァム・アダハ・サマンタート アンタル・バヒル・バガヴァーン・ナラシンハ
プラハーパヤ・ローカ・バヤム・スヴァネーナ スヴァ・テージャサー・グラスタ・サマスタ・テジャーハ
すべての方角、上下、あらゆる方向において、内にも外にもナラシンハ神が遍在しておられる。
その咆哮によって世界の恐れを打ち破り、ご自身の光によって、あらゆる他の輝きを飲み込まれた。
oṁ āṁ hrīṁ kṣrauṁ oṁ phaṭ taṭṭakā hātaka keśagra jvalat pāduka
locana bhadrādika nakha sparśa divya siṁha namostute
オーム・アーム・フリーム・クシャウム・オーム・パット・タッタカー ハータカ・ケーシャグラ・ジュヴァラット・パードゥカ
ローチャナ・バドラーディカ・ナカ・スパルシャ ディヴィヤ・シンハ・ナモーストゥテ
オーム・アーム・フリーム・クシャウム──神聖なる音の連なりよ。パット!黄金の髪の先端に、燃え輝く聖なる足。
慈愛に満ちた御目と、爪の触れたその加護に─神聖なる獅子(ナラシンハ)よ、あなたに礼拝を捧げます。
jaya jagadīśa hare divya siṁha namostute
jaya jagadīśa hare śrī lakśmī nṛśiṅga hare (3)
ジャヤ・ジャガディーシャ・ハレー ディヴィヤ・シンハ・ナモーストゥテー
ジャヤ・ジャガディーシャ・ハレー シュリー・ラクシュミー・ナラシンガ・ハレ(スリー)
勝利あれ、宇宙の主ハリよ!神聖なる獅子よ、あなたに礼拝を捧げます。
勝利あれ、宇宙の主ハリよ!シュリー・ラクシュミーと共にあるナラシンハよ、ハリよ!(3回)
(jaya) nṛśiṅga dev (4) (jaya) nṛśiṅga dev (4)
(jaya) prahlād mahārāj prahlād mahārāj bhakta svarupa jaya prahlād mahārāj (2)
(ジャヤ)ナラシンハ・デーヴ(4) (ジャヤ)ナラシンハ・デーヴ(4)
(ジャヤ)プラフラーダ・マハーラージャ、プラフラーダ・マハーラージャ バクタ・スヴァルーパ、ジャヤ・プラフラーダ・マハーラージャ(2)
(勝利あれ)ナラシンハ神に!(4回)(さらに)ナラシンハ神に勝利あれ!(4回)
勝利あれ、王の中の信愛者プラフラーダに! 献身そのものの姿─勝利あれ、プラフラーダ王に!(2回)
(jaya) gurudev, gurudev, gurudev, jaya jaya gurudev (2)
(Sri Vishwananda) gurudev, gurudev, gurudev, Sri Vishwananda gurudev (2)
(ジャヤ)グルデーヴ、グルデーヴ、グルデーヴ、ジャヤ・ジャヤ・グルデーヴ(2回)
(シュリ・ヴィシュワナンダ)グルデーヴ、グルデーヴ、グルデーヴ、シュリ・ヴィシュワナンダ・グルデーヴ(2回)
グルデーヴ、グルデーヴ、グルデーヴ、シュリ・ヴィシュワナンダ・グルデーヴ
(勝利あれ)グルデーヴよ、グルデーヴよ、グルデーヴよ、幾度も勝利あれ、グルデーヴに!(×2)
(シュリ・ヴィシュワナンダ)グルデーヴよ、グルデーヴよ、グルデーヴよ、シュリ・ヴィシュワナンダ・グルデーヴに!(×2)
グルデーヴよ、グルデーヴよ、グルデーヴよ、シュリ・ヴィシュワナンダ・グルデーヴに!
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