みなさん、瞑想ってされていますか?
結構勘違いされがちなのが、目を閉じて坐ることだけが瞑想ではありません。
ヨガの聖典、「ヨーガ・スートラ」では、
瞑想(ディヤーナ)は、「心を一つの対象に集中させ、その状態を途切れなく持続させること」と定義されています。
これは、ヨガの実践における八支則の7番目の段階であり、集中(ダーラナー)が深まることで自然に訪れる状態です。
家事であっても、仕事であっても、遊びであっても、全てが瞑想になり得る、と「ヨーガ・スートラ」でも言われています。
ということで、この度「読む瞑想シリーズ」を始めます。
題材は『トランス・ヒマラヤ密教入門』。
この書籍は人の解説を聞くよりも、
意味が分からなくてもマインドを使って、書かれていることに集中・熟考することで意識が変化するので、実際に書籍を読まれることをお勧めします。
この書籍の原題は『Ponder on This』(熟考しなさい)。
理解しようと「思考を使う」訓練をすること(使われるのではなく)それ自体が瞑想になると言われています。

秘教に関心を持ってご連絡をいただく方もいらっしゃるのですが、最初に読むのにおすすめです。
今回は、3巻から「人間の霊的な進化 Spiritual Evolution of Man」のテキストをご紹介します。
初めての方は意味が分からないかもしれませんが、
なんとなく読んでみて、その後の解説を読んでみてください。
(1) 最初は、界層の質料のフォースが彼を支配し、彼自身を濃密な質料と同一化させ、人間つまり第四王国のメンバーであると考えさせ、自らが非自己であると確信させる。
後に魂からのフォースが流入したとき、彼のサイキック的な進化(私はここで、サイキックという言葉を高位の意味で使っている)が進み、自分自身を魂つまり思考者、形態を扱う者と考えるようになる。
そして最後に、モナドからのエネルギーに感応し始め、自分が人間でも天使 [太陽天使つまり魂]でもなく、神の本質つまり霊であることを知るようになる。・・・
そのとき、人間は自分自身をあるがままに燃え立つ焦点をもち、燃えるようなエネルギーを伝導循環させる火の網状組織として見るようになる。
『宇宙の火』
いかがでしょうか。
ぱーっと流し読むタイプの文章ではないので、スルメ的に味わって読むのがおすすめです。
要素分解して、少しずつ読むと、すごい文章だということが分かる、、かもしれません。
ステップ1
最初は、界層の質料のフォースが彼を支配し、彼自身を濃密な質料と同一化させ、
人間つまり第四王国のメンバーであると考えさせ、自らが非自己であると確信させる。
「界層の質料のフォース」とは物質界やアストラル界(情緒や欲求)、メンタル界(思考)の質料のフォースのこと。
「質料」とは、肉体を構成している質料(細胞など)があるように、感情や思考にもアストラル質料、メンタル質料があると言われています。
人間が霊的に進化することは、これらの「濃密な質料」を霊化していくプロセスでもあります。
肉体、アストラル体、メンタル体、コーザル体などは、
「太陽系の七つの界層と人間の構造」の図を頭に入れておくと分かりやすくなります。

人間の霊的な進化とは、この図の意識の梯子を少しずつ上に上がっていくことと言われています。
ステップ1の段階では「彼」がその「質料」のフォースに支配され、同一化している状態。
本来「彼」は、
肉体や感情、思考(=「濃密な質料」)を超えた存在であり、
「人間つまり第四王国のメンバー」でもないのですが、
(7つの王国については以下。
①鉱物王国、②植物王国、③動物王国、④人間王国、⑤魂王国、⑥惑星王国、⑦太陽系王国
人間王国は下位の3つの王国にとっての中和点。)
肉体や感情、思考と同一化して、自分のことをパーソナリティ(=非自己)だと確信している状態ということですね。
では「彼」とは、何のことを指しているのか?
これこそ熟考するとよさそうですね。
ステップ2
後に魂からのフォースが流入したとき、彼のサイキック的な進化(私はここで、サイキックという言葉を高位の意味で使っている)が進み、自分自身を魂つまり思考者、形態を扱う者と考えるようになる。
ステップ1の段階の後、「魂からのフォース」が流入するようになると、高位の意味でのサイキック的な進化が進みます。
この段階になると、瞑想などを始める人生になるようです。
巷で時々見かけるサイキックは、基本的に低位のサイキック(超能力的なもの)がほとんどのようです。
低位のサイキックは、それ自体に執着してしまうと進化が妨げられるので、囚われない方がいいということがヨーガ・スートラなどでも言われています。
低位のサイキックはアストラル的なサイキック、
高位のサイキックはメンタル的なサイキック、という感じだと思います。
よくあるチャネリングも、アストラル界(いろんな想念が渦巻いている)から情報を降ろしていることがほとんどなので、ピンキリあるということです。
メンタル的なチャネリングは、メンタル体を統御できるようにならないとできないそうです。
神智学や秘教のテキストを書いたブラヴァツキーやアリス・ベイリーは、
メンタル的なチャネリングで、マスターから啓示を受け取っていたと言われています。
高位のサイキックが進むと、「彼」は自分のことを、「魂(=思考者)」、「形態(=肉体)を扱う者」、と考えるようになります。
ステップ3
そして最後に、モナドからのエネルギーに感応し始め、自分が人間でも天使 [太陽天使つまり魂]でもなく、神の本質つまり霊であることを知るようになる。・・・
そのとき、人間は自分自身をあるがままに燃え立つ焦点をもち、燃えるようなエネルギーを伝導循環させる火の網状組織として見るようになる。
最後にモナドからのエネルギーに感応し始めた時、
自分が「人間(肉体・感情・思考)」でも、「魂(=思考者)」でもなく、「神の本質・霊」であることを知ります。
そのタイミングになると、自分自身をエネルギー(宇宙の火)を循環させる網状組織として見るようなると。
秘教のテキストを読むような方は、秘教徒の道(賢者の道)で、魂とのつながりを強めようとしている段階なので、ステップ3についてはあまり考えなくていいそうです。
ただ、なんとなく知っておくと、将来(来世)に思い出すのでいいかもしれません。
もう一つのアプローチとして、神秘家の道(愛の道)で、マインドを超えて、神に近づいていく道があります。
どちらの道を選ぶかは、その生で魂が選んだ光線構造(パーソナリティの質)によって異なるそうです。
どちらが優れているなどはありませんが、最終的には、神秘家も秘教徒の道に入ると言われています。
神秘家は必ずしも秘教徒ではないが、秘教徒は神秘家でもある。
神秘主義は秘教の道の一つの段階でしかない。・・・
つまり、イニシエーションの後に神秘家は秘教徒になる。
なぜなら、彼は秘教の法則を学ぶものになったからである。
彼は物質に、そしてその操作と活用に携わらなければならず、低位のすべての顕現形態を修得し支配し、形成のデーヴァが働く規定を学ばなければならない。
『秘教瞑想に関する手紙』
他にも、「人間の霊的な進化」のところの文章をいくつか。
(2)あまり進化していない人間が高く進化した人間を完全に理解することはできない。
これほどではないが、進化した魂でさえイニシエートを理解することはできない。
より偉大な者がより劣った者を理解することは可能であるが、その逆は真ではない。
『ホワイトマジック』
(6)元気を出しなさい。
なぜなら、人間の霊が真に敗北することはないからである。
人間の内なる神性が完全に死滅することはない。
なぜなら、神性は常に地獄のまさに暗黒から意気揚々と立ち上がるからである。······
宿命づけられた目標への人間の前進を妨げることのできる力は地上に存在せず、それらの力がいかに力を合わせようと、人間を引き止めることはできない。
今日、このような力の結びつきすべての国々の不徳で野心的な人々のグループを通して放たれる古代の悪と現代の攻撃的な利己性の結びつきは活発である。
しかし、これらは結局のところ成功しないであろう。
これらは単に自由が現われるのを遅らせ妨害するだけである。
『国家の運命』
(8)真に秘教的なあらゆる実践において、期待される効果の達成は非常にゆっくりとしたものである。
ある人がある生涯に目覚ましい進歩を遂げているように見えるとき、それは次のような事実のためである。
つまり、その人はすでに以前に(以前の転生で・・・) 獲得したものを表現しているだけであり、ゆっくりとした注意深く苦心に満ちた努力を行う新たな期間のための準備をしているのである。
彼は過去において克服した過程をこの生涯で繰り返し、新たな努力のための基礎を築いているのである。・・・
パーソナリティーが幾多の転生を費やして確立したものは、――低位の意識内で働いている――魂が変化をもたらそうと努めても、容易に変わるものではない。『秘教瞑想に関する手紙』
様々なトピックごとにまとめられているので、本質的なスピリチュアルに興味がある方は、ぜひ書籍を読んでみてください。